2025年 急激な人口減少にリアル店舗をたくさん抱えるチェーンストアはどう対応する?

平成27年国勢調査 人口速報集計結果を見ると、東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)に3,612.6万人、全国の28.4%(東京都10.6%)が集中し、この5年間で鳥取県(57.4万人)に匹敵する50. 8万人(東京都だけで+35.4万人、うち特別区+32.7万人)が増加している。 東京(特に特別区)一極集中はさらに進むと考えられる。  市町村単位では、1,719のうち1,416(82.4%)で人口が減少し、5%以上減少が828(48.2%)、うち10%以上減少も227(13.2%)ある。全国的に人口減少が深刻である。    このような人口減少を前提に、あるリージョナルチェーン(100店舗弱)について調べてみた。  詳細は省くが、経常利益を大きさ順に並べ、その累計を折れ線グラフ(経常利益構成比%)てみると、3分の1の店舗の赤字を埋めるために3分の1の店舗の経常利益を使い、企業としての経常利益は残る3分の1の店舗分でしかなかった。 固定費は店舗数に比例して増加するが、利益は必ずしもそうならない。  これだけでも問題だが、経常利益の大きい約10店舗で全社合計の約3分の2に相当する経常利益を稼ぎ出しているから、これらの店舗が企業業績を左右するとも考えられる。  さらにこの企業の経常赤字店、経常黒字店、それぞれについて立地する市町村の将来総推計人口をみると、2025年には経常黒字店のうち、実に半分強の店で総人口が2010年比で90を割り込む。しかも経常赤字店よりも経常黒字店が立地する市町村で人口の減り方が大きい。 その時にどうするのかではなく、その時までにどうするのかが重要になる。  また、全国に約300店を展開するナショナルチェーンについても同様に店舗配置の状況を分析してみた。  問題は単純であり、40都道府県に分散しているために半分の県で5店舗未満しかなく、ドミナント形成ができていないからチェーンとしてはぜい弱な構成になっている。  しかも、南関東にある程度店舗を集中しているが、人口の多い都市部(東京都を除く)の店舗の1店舗当たり売上が全店平均を下回り、さらに数値も悪化している。  あとは、全国に占めるこのような効率上問題がある店舗の比率と売上比率を見れば、チェーンストアとしての店舗構成の状況が評価できるが、この企業では、東京都を中心に約3割の店舗数で4割弱の売り上げを稼ぎ出しているが、残りの7割の店舗、しかも地方の人口減少に直面する店舗はかなり難しい状況にある。  重要なことは、固定費はほぼ店舗数に比例するから多少都市部のコストが高いといっても7割の店舗数の固定費を残りの3割の店舗だけでカバーすることはどう考えても難しい。  すでに今の時点で、店舗戦略的(配置、ドミナント形成)には難しい状況にあるのに、さらに地方に分散する圧倒的多数の店舗が一様に人口減少に直面した時には、企業全体に与えるインパクトは非常に大きくなる。  小売業は、損益分岐点が高く、経費も固定費的に発生するから、既存店が低迷した時には、CGP(チェーンストア・グローイング・パラドックス)で説明しているように身動きが取れなくなる。  できるだけ早いうちに対処する必要がある。  繰り返すが、人口減少、高齢化は凄まじいスピードで進行し、周囲の風景を様変わりさせる。  その時にどうするかではなく、その時までにどう対処するかが重要である。

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