リテイル・エンジニアリング-2 いま、もう一度オールドIEと小集団の改善活動

 いまはもうIEやQCサークル、小集団活動などと言って通じる人はほとんどいなくなっている。盛んに行われていたのが、30年以上も前だから、当時中心になって活動していた人もリタイアし、いま現役で企業の中心にいる人は未だ物心ついていないか、あるいは生まれてないといったところだろう。
 なぜ、こんなものをいまさら引っ張り出すのかといえば、中小零細規模を中心としたさまざまな業種、あるいは地方創生で町興しに躍起になっている地方自治体や企業、団体の活動にとって非常に有効と考えられるからである。
 当時と違って、ICT、デジタル化が著しく進んではいるがIEやQCサークル、小集団活動などは、基本的な活動、物を対象とした様々な活動にとって非常に有効な手法であるにもかかわらず、現在では全く忘れ去られてるからである。
 たとえば、おばあちゃん達が葉っぱを売って何百万円もの収入を上げていることで有名な「株式会社いろどり」がどのようにして出来上がってきたかという発表資料を見たことがあるが、かつてのQCサークルそのものと言ってもよい内容であった。
 関係する人達が個人個人、みなバラバラな状態では、統一して高いレベルの活動は実現しない。重要なことは、全体を指導するリーダー、全体の活動を統一的に説明する理論、個々の活動の確実に結果へと結びつける手法、そして全員に対する動機づけとメンバーの参画意識などが非常に重要になる。
 30年前には筆者もホームセンターを中心にそのような改善活動を指導していたが、さまざまな企業のチームでいろいろなテーマに取り組み、多くの成果を上げている。
 中には、1年間の活動で10倍以上売上を伸ばした商品などもあり、部門売上が2倍を超えたところもあったから、やり遂げたメンバー達は自信を深め、大きく成長している。
 製造業で実績のあるIE、QC、VEなどの改善手法、現場で改善を行うQCサークルや小集団活動という活動形態は、現場スタッフの能力を引き出し、モチベーションを高めて、組織として大きく成長するという点で中小零細規模の企業や団体に向いている。
 実際にこのような活動に参加して成果を上げたことで、それまで組織にもあまり馴染めず、いつも辞表を胸にしのばせていたという人が、S、A、B、C、Dの5段階評価のD評価から一気にS評価まで変わったというケースもある。
 基本的に人はある程度の能力を持っているが、実際に仕事の場面でその能力を十分に発揮している人は少ない。しかし、何かのきっかけがあって、上手いやり方を自ら工夫して試し、成果を上げることができると、それを楽しめるようになり、能力をどんどん発揮するように変わる。
 同じ時間、その職場で過ごすのであれば、つまらないと思って過ごすよりは、楽しみながら良い結果を出した方が自分も組織も進化できるし、成果が上がれば報酬という形でも反映されるから、良いことばかりである。
 今後は急激に人口が減り、高齢化するから限られた人達で効率よく成果を出していく必要がある。現在、人工知能やロボットによって将来取って代わられると考えられる職種が盛んにニュースとしてとり上げられているが、新しいことを工夫して創りだすことは人間にとって重要なことであるし、そのような能力を高めていくことは今後とも重要なことである。
 難しい状況に直面しているからこそ、もう一度IEやQCサークル、小集団活動などに取り組んでみることも大切だろう。むかし流行ったから古いというのではなく、いつの時代も工夫をして進化することが重要だから、やってみる価値はある思うが、どうだろうか。
 

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