「人間観察バラエティ モニタリング」で見えた消費者の志向の変化 総合スーパー(GMS)再生の救世主になる?

 YBS系の「人間観察バラエティ モニタリング」という番組で、食堂に家族で夕食を食べに来たお客に対し、自分でテーブルセットをすると100円引き、食材を準備すると〇〇円引き、調理まですると〇〇円引き、洗い物をすると〇〇円引きという仕掛けをやっていた。
 企画の狙いとしては、普通の食堂に食事をしに来たお客が「割引き」に対してどう反応するのかを見たかったのだろうが、意に反してお客が喜んで取り組んでしまったことで、いささか拍子抜けしているようであった。
 以前から言っている観光業界では、sightseeingではなく、sight doing出ないと売れなくなっている、という状況が、飲食、小売りなどいろいろな場面で起こっているだけなのだが、古い感覚だけで見ていると、何か異常な状態が目の前で起こっているようにも見えるのだろう。
 特に面白かったのが、祖父母、母親、子供という家族の例だった。子供たちは何でもやりたがるし、お母さんもそのうち夢中になる。おじいちゃんは孫たちが一生懸命に調理する姿に目を細める。出来上がった料理も特別美味しく感じたようである。
 以前、テレビのインタビュで若い男の子が「物にお金を使うのなら、思い出に使いたい」と言っていた。
 物が溢れ、物を入手するチャネルも実店舗以外にスマホ、PC、一般小売にオークションとさまざまであるから、買物(物を入手する)という行為に対する価値観、消費に対する価値観も大きく変わっていると考えるべきである。
 そう考えれば、総合スーパー(GMS)も、ただ広い売場を持て余しているのではなく、建物全体を体験型消費だけにしてしまうくらいのことをやれば、多くの人達が遊びに来て、楽しみながら買い物するように変わるかもしれない。
 そもそもイトーヨーカドーではバーベキュースペースを提供して利用客数も肉の売上も伸ばしたという実績を持っているから、それを発展させて、さまざまな商品分野に応用するところまで持っていけば面白いのに...と思うが、どうだろうか。これまでの常識から外れない限り、これまでとは大きく異なる結果は得られない。
 いつまでも商品をたくさん売ろうとするから、コモディティ商品ばかりになり、競争も価格競争中心に激しくなって、商圏も狭まるから、状況はどんどん悪化する。望むのとは反対の方向へ向かっていく。何十年も繰り返してきたことである。
 広い面積を持つ総合スーパー(GMS)が体験型消費だけの売場に変わることができれば、商圏は確実に拡大するし、客単価も確実に上がるだろう。
 日常生活に必要な商品を買う店でなく、家族、学生のグループ、会社の同僚などが「集う」ことができるスペースになれば、足元商圏以外からでも集客は可能になる。人が集まれば、イベント的な消費に変わるから、確実に客単価は上がる。企画まで提案すれば、バリエーション、商品もある程度コントロールでき、予約の比率を高めればロスも減るから粗利率は確実に上がる。
 物売りにこだわらなければ、まだまだできることはたくさんあるはずである。
 変化の方向は決まっている。体験型、参加型、自己実現型である。
 食も衣も住も「できるようになれば本人は変わる・成長する・進化する」、皆が集えば「楽しい時間が共有でき、グループ内の状況は変わる」。
 これ以上の「物の充足」は必要ではなく、いま必要なことは「状況の充足=進化・改善」である。

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