11月17日、「インダストリー4.0時代 流通業の経営革命」(東洋経済新報社)のセミナーを受講することができた。 普段とは逆の立場で専門分野以外のセミナーを聞くことはいろいろと勉強になるし、自分の立ち位置を確認するのにもおおいに役に立つ。特に大学の情報工学科で教えていることを考えると、生の情報は非常に重要である。 チャンスがあれば、いろいろとネットワークを広げることは意味があるし、いまの時代を考えれば「専門分野」という概念も大きく変わっている。知っていてムダになることは一つもないと言ってもよいだろう。 できれば、学生の早いうちに、こういう空気に触れて刺激を受けることができれば、モチベーション、自覚、モノ・コトの見え方、視野の広さなど、多くのモノ・コトが変わるだろう。そうでもないと大学にいる4年間、数百万にものぼる教育コストを有効に生かすことができずに非常にもったいない(それ以前から考えれば千万単位であり、卒業後の奨学金返済の問題もあるから単純ではない)。 詳細は省くが、パネルディスカッションは特に面白かった。 冒頭の特別講演でも話されたベッコフオートメーション(株)代表取締役社長 川野俊充氏、オーマイグラス(株)代表取締役社長 清川忠康氏、Kii (株)共同創立者・代表取締役会長、CEO 荒井真成氏の3氏は、いずれもシリコンバレーに住んでいたことがあるということで、感覚的にも「あっち」側の人といった感じである。 何が「あっち」で何が「こっち」なのかを明確に説明しようとしてもなかなか難しいが、話を聞いているうちに頭に浮かんだ言葉が「あっち」側と「こっち」側であった。 おそらく、単純にベースに置いている前提が違うということだろうが、スピード感、距離感の違いは如何ともしがたいものがある。小売業を見に何回かアメリカに行ったことがあるのとは訳が違うから、その違いは大きい。 特に荒井真成氏の話、あるいは話の仕方は、いまの学生に最も聞かせたいと思った内容である。「話の仕方」と言ったのは、難しいことをあたかも何でもないことのように言ってしまうところであり、肌感覚でしかわからないことなのかもしれないが、若い人にとって非常によい刺激になるだろう。 自らの枠組みを限定せず、いたって普通にグローバルな世界にいられることは、モノ・コトの見方・認識・判断基準、リスクの取り方、思考と行動のメカニズムなどを違うものにしているように思う。 いま、学生がいる世界は、何もしなければ、ただ穴倉の中のような世界で終わる4年間かもしれないが、そこから一歩踏み出してみると、すぐ隣にはグローバルな世界が広がっているかもしれない、とても不思議な世界である。 その可能性を活かすか否かで状況は全く変わってしまうのだろう。 そういえば、アメリカ在住で日系3世の従妹からFacebookに「ひょっとして私の従妹ではないですか?」と問い合わせがあった。30年以上コンタクトをとっていなかったのに....と驚いたものだが、これが現在、我々がいる世界なのだと改めて実感させられた出来事であった。 学生たちにも穴倉から飛び出して、あっち側とこっち側を行き来してもらいたいものである。
はじめまして。「インダストリー4.0時代 流通業の経営革命」を共催しましたネットスイート株式会社の中の者です。ひょんなことから記事へ辿りつき有難い思いで拝読いたしました。共催の立場ですがコンセプトや構成は私共が制作したものです。ご意見大変励みになりました。
今後も東洋経済新報社や他のメディアと共に役に立つ情報をお届けできればと思います。
これからもよろしくお願いいたします。
ご連絡、ありがとうございました。
テーマの広がりを考えると、書きたいことは、まだまだたくさんあるのですが、書き出すと一冊の本になってしまうのではないかと思うくらいありますから、なかなか難しいものです。
いろいろな視点から情報収集し、融合できるものはうまくミックスしたいとも考えています。
また、いろいろとお教えください。
ありがとうございました。