ファッションワールド東京2015 (株)良品計画 金井会長と(株)ジュン 佐々木社長のセミナーを聞いてきた

 10月1日、ファッションワールド東京2015 で(株)良品計画 金井会長と(株)ジュン 佐々木社長のセミナーを聞くことができた。
 金井会長は「『これでいい』を世界へ ~無印良品の思想と戦略~」というテーマで、まさに自然体でマーケットのニーズを一つ一つ掘り起こしていくという無印良品の思想をベースに現在までのビジネスを解説され、佐々木社長は「JUNが見据えるクリエイティブ産業の未来とソーシャルスタイルという概念~新たな時代に求められるリーダーシップと感性~」というテーマで、新しい世界を創造していく上でベースに置く考え方を話された。
 自然体でマーケットを観察し、そこからビジネスを掘り起こしていく金井会長と「カッコよく儲けたい」と自らの力で新しい世界を創り上げ、切り開いていく佐々木社長では、一見すると東洋と西洋の違いのようなものを感じさせるが、お二人の話を連続して聞いてみると、非常によく似ているというか、共通点が多いことに思わずうれしくなった。
 一つは、表面的なテクニカルな話よりも思想、哲学という考え方をベースに置いて話されていたこと、もう一つは物発想よりもお客のライフスタイル、生活をベースに発想し、その後で具体的な形を創り上げていることである。
 ある意味、経営というレベルで物事を考えれば、物発想ではなく、あくまでも主体であるお客の生活をベースに発想することが重要であることは当然のような気もするが、様々な物事が業績に大きく左右される小売業(両社とも普通の小売業とは違うとも考えられるが...)ではなかなか簡単にはできないことである。通常の「物売り」とは違うから現在の状況があると言ってもよいだろう。
 もう一つ、筆者が感じたのは、お二人とも「語る」ことである。
 おそらく、スタッフや多くの人達に自らの思想を伝え、具体的にそれを理解してもらい、現実のものとするために、幾度となく表現を変え、言葉をを変え、言い方を変えて語ってきたのだろう。 心底からというか、身体の芯からというか、身にしみついていたもの、湧き出してくるものを「語る」姿がとても印象的であった。
 とてもいいセミナーを聞けたと思っている。

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