GMS 総合スーパーはどこへ行くのか?

 ユニーグループホールディングスに続いてイトーヨーカ堂も大幅な店舗の整理を打ち出したが、イオン(ダイエー、マイカル)、西友までを含めれば、すでに相当数の店舗が閉鎖、もしくは撤退し、別業態へと転換している。
 問題は、総合スーパーという業態なのか、それとも商圏変化なのか、あるいは業態と商圏のミスマッチなのか、....といった本質的な議論はあまり表面には出てきていないことだろう。
 単純に総合スーパーの業績が回復しないから、もうダメだという論調が多いが、なぜ総合スーパーではダメなのという議論はあまりない。
 面白いのは、これらの企業が総合スーパーを縮小し、食品スーパーやコンビニエンスストアへ比重を移す一方で、ライフコーポレーションのように食品スーパーから商品ラインを増やし、衣食住のフルライン化を図る企業が業績を伸ばしていることである。ホームセンターも食品を導入し、今では肌着や軽衣料など衣料品を取り込む動きが活発である。
 商圏が限られ、競争が激しくなれば、多くの費目を取り入れるために総合化する。またワンストップショッピングを可能にすることで消費者に利便性を提供するという意味でも、商品ラインを増やし、総合化を図ることはいたって自然な流れである。成り立ちから言っても、何十年か昔のGMS総合スーパーに回帰するような動きが全く別のところで起こっていることになる。
 何年か前に総合スーパー再生について調べたことがあるが、大きくなりすぎた総合スーパーは、その固定費を賄うためにも多くの売上をとらなければならず、そのため商圏を広くとり、高額品も売らないといけないなど、様々な点で状況を難しくさせている。
 それに対し、はるか昔の1000~2000坪クラスのGMS 総合スーパーのような形態をとるコモディティ型店舗(食品スーパーから進化)は、消費者に利便性を提供するためにワンストップショッピング化を図っていき、結果的に衣食住のフルラインに行きついたという形だから、商圏における店舗の意味が全く違っている。バブル期の進化ではなく、現状のニーズに対応した進化である。
 高齢化が進み、移動手段を持たない高齢者が増えれば商圏は縮小し、利便性の高い万屋的店舗のニーズが高まる。拡大し、大型化、高級化、プチ百貨店化した時代は消費の中心にいた人たちも若く、バブリーで、マーケットの成長とともに店舗に対する要求も、より細分化・専門化・高級化したものであったが、それが高齢化に伴って実生活に必要な分野に収束してきたと考えれば分かりやすいだろう。
 ポイントは時代の志向に適した立地・規模・店舗性格なのだろう。拡大し、高級化していった時は、都心から郊外までみな同じ流れの中にあったから、地方都市の総合スーパーでも高級化路線でよかったが、いまは年齢による行動範囲の違いから都心と郊外・地方都市とでは消費者の求めるもの、店舗の使い方が異なっている。鉄道の乗り入れなど時間敵距離の短縮から中途半端に郊外・地方都市で買わなくてもすぐに本物がある都心に行くことができる。
 歴史的、構造的な変遷を見直してみると、総合スーパーが整理される理由も何となく分かってくるが、それと同時に総合スーパーに対する戦略的な間違いも分かってくる。
 問題は、それだけの店がなくなった後、その地域がどうなるかだろう。地方の地価は上がるところと下がり続けるところで二極化しているというから、雇用を含め、難しい局面を迎える地域が増えることになる。
 単純に単店の採算だけで判断するのではなく、ある程度広域を見た上で、ターミナルとして地域の中核になるエリア、日常的に比較的高頻度な買い物をするエリアなど、その地域の特性に応じてタイプの異なる店舗を再配置するという発想で見直す必要があるだろう。(個々の企業だけでなく、都市計画的な発想が必要だろう)

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