「当り前」を超える

 自ら自閉症であることの特徴を生かし、動物学者としてだけではなく、多くの新しい視点から提唱をしているテンプル・グランディン(Temple Grandin)氏の「TEDカンファレンス」をEテレ「スーパープレゼンテーション」で見る機会があった。
 氏は思考方法のタイプを①映像タイプ、②音声タイプ、③文字タイプ、④操作タイプの4つのパターン分けて説明している。
 これらをバランスよく身につけている人(当り前の人)に対し、発達障害(この言葉、表現には違和感を覚えるが)をもつ人(当り前ではない人)は、どれかに極端に偏る傾向にあるという。
 一度見れば、どんな風景でも詳細に模写できる、一度聞いた曲はすぐにピアノで弾ける、....等々、特異な能力は時として我々の想像をはるかに超える。
 キーワードは、これらのことを前提として「世界はあらゆる頭脳を必要としている」という氏からのメッセージである。
 特にITが高度に進化し、人工知能が当り前になる時代には、これら特異な才能が進化に大きく貢献することが期待される。
 その時には「発達障害」という言葉が「超発達」と変わっているのかもしれない。
 ただし、それには、それらの能力の有用さを認め、見出し、開花させるというバックアップが必要となる。
 既に人工知能の進化によって取って代わられる職業などということが話題になっているが、これからの時代を考えれば、当り前を超えられる発想、当り前を超えられる能力が重要になるだろう。

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