2010年人口が3万人、5万人、7万人、10万人、15万人、20万人、25万人、30万人規模の自治体の中から2040年の総人口指数(2010年=100)が100超(人口が増える)と60~70の自治体をランダムに選んで比較してみた結果、人口減少、高齢者の増減については、自治体の人口規模よりは65歳以上人口率(年齢構成)の方が影響が強いようである。
小売業が店舗配置をする際、人口規模を基準として行ってきたように、多くの人達が都市の評価を人口規模によって行ってきたというのが一般的だろう。
しかし、どうやら重要になるのは、年少、生産年齢、老年の年齢3区分の人口構成であって、現在の人口規模だけで将来の自治体の姿をイメージすることは間違いのようである。
今回、試しに2015年65歳以上人口率(総人口に占める割合)をベースにして2025年時点の人口増減(2010年=100)を調べてみた。
2015年65歳以上人口率ごとに見ていくと、◆65歳以上人口率18.0%以下、2025年人口指数91.0-118.1、2015年人口191-237,451人・平均79,333人(22都市)、◆同19.5-20.4%、同94.2-114.1、同6,518-1,468,329人・221,133人(32都市)、◆同24.5-25.4%、同84.4-105.7、同6,284-2,288,845人・194,208人(90都市)、◆同29.5-30.4%、同80.1-97.7、同1,195-961,748人・69,492人(90都市)、◆同34.5-35.4%、同73.6-89.7、同1,442-115,972人・26,216人(77都市)、◆同39.5-40.4%、同69.5-86.4、同1,751-57,909人・13,016人(40都市)、◆同44.5-45.4%、同62.6-78.6、同325-37,052人・8161人(23都市)、◆同50.0%以上、同50.1-60.9、同441-16,838人・3,252人(17都市)
これから分かることは、以下の点である。
①2015年時点で65歳以上人口率が集中している都市(上記の都市数が多い)は、25%、30%、35%であるが、平均人口が多いのは20%、25%であり、30%を超えるにしたがって平均人口は少なくなる。また18.0%以下も平均人口は30.0%と同程度であり、決して大都市というわけではない。
②65歳以上人口率が高まるにつれて、2025年人口指数が低下する(人口の減り方が大きい)。また、平均人口も小さくなる(小規模都市)傾向が明確である。
③2025年という10年後を見る限り、人口の減り方は、ほぼ現在の65歳以上人口率に比例する。もともと都市の規模は小さい方が多いので、それに比例した形で現れる傾向にあるが、今回、特に都市数が多かった25.0では5万人以下、30.0%では2万人以下、35.0%では6万人以下が多くなっており、2025年総人口指数の平均値に近いところに集中する傾向が見られた。
言い換えると、2015年65歳以上人口率の似た都市を集めてみると、人口規模に関係なく、2025年には同じような人口の減り方をするということになる。
個別には、いろいろと都市の状況があると考えられるが、基本的に自分が住むエリア、ビジネスを展開しているエリアを評価する際には、現在の人口規模よりは、むしろ現在の65歳以上人口率をベースに見た方がよいということになる。
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