田園都市型ショッピングセンターを創ろう‼

 いろいろな原稿に書いているように、2015年から2025年までの10年間、人口減少はもちろんであるが、急激な高齢化によりマーケットの状況は様変わりする。
 特に高齢化が顕著なのが現在多くの人口を抱えるターミナル駅周辺のベッドタウン=都市部であり、多くの商業施設が集中するエリアである。
 高齢化による消費の減少は費目により極端であり、衣料品を中心にしたショッピングセンターに大きな影響が出ると考えられる。
 低迷するGMSの衣料品と似た構造にあることはすでに指摘した通りであるが、現在の状態を維持していては新たな方向を見いだせないまま、衰退していくしかないだろう。
 一つの提言として「田園都市型ショッピングセンター」への転換はどうだろうか。
 単なる思い付きでも何でもなく、様々なマクロデータをベースにした消去法から行き着く一つの結論であり、それなりの根拠がある提言である。
 ショッピングセンターは、広い敷地内に店舗が分散して成り立つオープン型と一つの建物の中にあるクローズ型がある。海外ではアミューズメントやホテルまで持ち、滞在できるような大規模なショッピングセンターもある。
 ただし、いずれも日本的ではない。
 「里山資本主義」なる提案がされたこともあるが、いっそのことへ「田園都市(あるいは里山)」=町、あるいは村という生活が完結できるような「地域を一つのショッピングセンター」として創り上げてしまうのはどうだろうか。
 もちろん、滞在型がいいし、リゾートやレジャーばかりでなく、仕事をしながら1週間でも1か月でも過ごせるのがいいだろう。
 理由はいろいろとある。
①空き地、空き家、廃校、耕作放棄地などがたくさんあるから放っておけば荒れ果てるだけだが、短期や中期で他人が入ってきて生活すれば、少なくとも荒れ果てることに歯止めがかかるし、経済的にも動きが出る。人口、住民をシェアすると考えれば、これからの時代には非常にあった仕組みである。
②高齢化することで、これまでに経験ができなかったような、ハレ型、あるいは参加・体験型消費のニーズが高まっている。物消費よりは、新たな経験の方に価値を見出す人が増えているから、自然を相手にしたり、伝統工芸や地域産業に触れることに意義を見出すケースも増えている。
③いろいろな理由(主に介護)から地方への人口移動を後押しするような動きもあるが、都市部から人がいなくなることも大きなリスクになる。理想的には、高齢化しても元気で働けることが一番である。人が動き、お金も動く状況を創りだすには、都市部で買い物をするよりは、アチコチ元気に動き回ってお金を動かす方が医療費もかからないし、地方の荒廃の歯止めにもなる。上手い具合に海外からの人も呼び込めれば、こんなにいいことはないだろう。

 ある年齢になると、子供の頃を懐かしく思うようになる。小川でメダカを取ったり、小鮒でも釣ることができれば、そんな時間も大切である。
 高齢化すると言っても残された時間は長いし、身体も昔と比べれば実年齢より5~10歳は若いと言われるように元気である。
 やりたいことが明確になっている人は、すでにアチコチ動き回っているが、どうして良いか分からずに動けない、動かない人も大勢いる。そういう人達がいろいろな体験をしながら、これまでと全く異なる生活時間を過ごせる町、村がアチコチにあってもよいだろう。
 せっかく四季があり、海も山も川もある国であるから、百貨店での買い物や海外でのブランド品の買物、クルージングとはまた違った楽しみ方があってもよいだろう。
 団塊の世代にとっては、なかなか手に入ることが難しい貴重な時間、体験であるような気がしている。

 

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