棚割はあるけど商品構成がない

 ビッグデータ流行りである。数多くある様々なデータから商品が「売れる法則」、あるいはお客が「商品を選ぶ、あるいは買う法則」などを見出して、品揃えや商品構成、関連陳列・関連販売、販売促進など様々な形で応用する。
 ただし、どんなにデータをたくさん処理し、様々な法則を見出したとしても、商品を売場に並べて販売している限りは「棚割り」が必要になる。
 特に現在は生鮮食品まで自動発注や計画発注で加工センターから納品することが当り前になりつつあるから、棚割りと在庫管理によって、売場にある商品の数量管理の精度を高めることがこれまで以上に重要になっている。
 ところが、棚割りについては明確な理論が存在しない。
 かつては、入り口から奥に行くに従って安いモノから高いモノへ、什器の上から下に向かって高いモノから安いモノへ。また、PB商品はNB商品と比較するために必ず並べて陳列する…などと言われたものであるが、それも今では遠い過去の話であリ、そんな並べ方になっている売場は見かけなくなっている。
 実際に売上を優先する場合、荒利率を優先する場合、商品回転率を優先する場合、品揃えの特徴を強調したい場合、価格訴求をしたい場合など、目的によって、どの位置にどんな商品を、どのくらいのスぺースを割いて、どのような陳列方法で並べるか、など大きく変わってくる。しかも価格重視のコモディティ商品、用途機能重視の目的買い商品、商品イメージを重視するファッション商品など、商品のタイプ、消費者の購買動機などによっても変わるから、そんなに単純な理屈で全て片付けるわけにはいかない。
 その中でも、特に問題と思われるのが、バイヤーが取引先に行って行う「棚割り」には、「棚割りはあっても商品構成がない」ことである。
 本来であれば、売上を優先する、荒利率を優先する、商品回転率を優先する、価格訴求を優先する、品揃えの特徴を強調する、様々な要素を上手く組み合わせてバランスをとる、…等々の目的に応じて商品構成があり、その商品構成を売場で適切に表現するために棚割りがなされるべきであるが、取り扱う商品が決まり、売場に並んでいく過程を見る限りではそのようにはなっていない。
 「棚割りはあるけど商品構成はない」 このような店が増えてくると、単品を価格で訴求したり、メリハリつけずに全部安くしたり、やたらとPB商品ばかりでNB商品との棲み分けが分からなかったりというように売場は混乱してしまう。
 最も大切なことは、お客が買いやすい売場は、販売員にとっても管理しやすい売場である、という大原則であるから、目的を明確にした上で、一定の法則に従って商品構成、商品陳列をするという基本に戻すべきだろう。
 おそらく、キチンと基本を守るだけで売上が上がる、単価が上がる、不良在庫が減って商品回転率が上がる、オペレーション時間が減る、…など現場の生産性は目に見えて上がるだろう。
 新商品が次から次へと発売されるとバイヤーは全ての商品を把握できないし、自分で作った棚割りを次から次へと自分で壊すようなものだから、一定期間良い状態を維持することもできない。
 原理原則に戻せば、全てがもっと単純で楽になるはずだが、次から次に出てくる新しいモノに振り回されてしまうのかもしれない。
 いったい主役は誰なのかと疑問に思うこともあるが、簡単には整理できないのだろう。

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