チェーンシステムは小売業の財産 フランチャイズシステムで日本再生

 「チェーンストアのコア技術は?」と訊かれて「チェーンシステム」と答えることができるのは、おそらくコンビニエンスストアの人達くらいだろう。
 他の業態で、しかも店舗数があまり多くない、あるいは標準化(画一化ではない)できていない企業では「チェーンシステム」と言っても実感としてあまりピンとこないかも知れない。
 チェーンストアの中にいると、それが当り前になるから、改めて意識することはないかもしれないが、チェーンシステムを他の分野に応用することができると、様々なことが画期的に変わる。
 例えば、農業にフランチャイズシステムを応用すれば、個人を巻き込んで急速にシステム化することも可能になる。システムは、全て画一である必要はないから、地域特性に応じて、年間の作物を全国ネットでコントロールすることが可能になるだろう。
 農機具、農薬、肥料、種苗、出荷などあらゆる分野に最先端のシステムを持ち込むこともできるようになる。
 資本、システム、様々な研究成果をシステム的に運用し、さらにマーケティング、販売先などが統合されれば、ビジネスとしての生産性は高まり、競争力、進化速度も増す。
 また、地域興しを前提とした各地域の農業試験場の持つノウハウを交流することで、グローバルな産業にすることも容易になるだろう。
 同様に魚の養殖に活用しても高い効果が望める。
 さまざまなネットワークを活用し、コンビニエンスストアが一大産業になったように小規模事業を統合することができれば、農業も水産業も近代化し、一大産業とすることも可能だろう。まさに日本再生を目指す上でキーを握るシステムと言ってもよいだろう。
 チェーンシステムが持つ内容を改めて整理してみれば、マーケティング、販促、商品企画・開発、商品流通チャネル、物流、情報システム、販売、店舗運営、多くの事業所を統括するマネジメントとオペレーション、教育・マニュアル、….等々、短期間のうちに事業をシステム化し、拡大することができる要素が全て揃っている。
 急激な高齢化と人口減少によって、固定された数多くの店舗の運営が難しくなることは容易に想像できる。
 自社の重要な資産でもあるチェーントステムを店舗と共に陳腐化させてしまうのが、全く別の分野で有効活用するのか、経営としての先見性、経営の力が試されることになるだろう。
 

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