効率の悪い小売業

 少しデータは古くなるが、平成19年 東京都の卸売業は、全国の14.1%の事業所数、22.6%の従業者数で39.9%の年間商品販売額を売り上げている。1事業所当りの売上規模は全国平均の約3倍、従業員1人当りの年間商品販売額は全国平均の約2倍と非常に高い値を示している。
 それに対し、同じ東京都でも小売業は事業所数9.0%、従業員数10.3%で年間商品販売額は12.8%でしかない。1事業所当りの売上規模は全国平均の1.4倍、従業員1人当り年間商品販売額も全国平均の1.2倍強であるから、卸売業と比べると、全国との差はあまりない。
 商圏に住む消費者と「距離」「時間」「消費量」「購買頻度」という関係で成り立つ小売店舗は、卸売業のように距離や時間を超えて、一つの取引先と一度に大きな取引をすることはない。
 あくまでも、対象は不特定多数の消費者であり、商品の現物在庫を持って、不定期・不特定時間(時刻)に、不特定の多品種商品を、少量ずつ、高頻度で、個別に取引する。効率の悪い取引形態である。
 商品の現物を扱う限り、発注を含めた在庫管理、現物管理に手間がかかり、物流、庫内物流・補充、レジ清算なども煩雑である。売れれば売れただけの点数が何度か(最低でも荷受け、補充、レジ清算の3回)人の手を経ることになるから作業の手間・作業時間は販売点数に比例して増える。しかも、一度売れたからといって、次も同じ商品が、同じように売れる保証はない。多品種の商品を少量ずつ扱えば必ず一定量のロスは避けられない。
 さらに店舗という大きな固定費、制約条件を持つから人口が減少する時代には難しい。

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