ワークマンの講演を聞いて分かったこと

1月29日マーケティング・テクノロジーフェアで㈱ワークマン 専務取締役 土屋哲雄氏の講演を聞いてきた。
注目される企業だけに、アチコチにいろいろな解説が増えているが、ある意味、当事者が説明している内容が最も分かりやすい。
限られた時間であったが、考え方や取り組んでいる内容について具体的に説明されていた。
細かなことを省いてシンプルに考えると、大きく2つのことがポイントになるのだろう。
一つは、商品は値下げしないで売り切る。
すべてが定番商品であれば、継続するからロットは大きく、値下げロスも出ないから粗利率も高い。多くのマスコミが商品の品質・機能・性能と売価に注目しているが、重要なのは値下げしないで粗利を確保する仕組み、要するに「定番」を頑なに守り、崩さないことだろう。あとは商品回転率だけであるが、これはやり方次第でどうにでもなる。
そのためには定番づくり、商品作りが真剣になる必要がある。1アイテム、1SKUでいくら売るか、いくら稼ぐかである。MDの鉄則である。

これは、昔バイヤーをやっていた頃からの鉄則であり、コンサルでアパレル商品部を指導する際の鉄則でもある。(タイプにもよるが…)
アチコチの商品に目移りし、スポット買いでアソート投入を繰り返していてはロスばかり増えて粗利の確保ができない。商品づくりにも集中できないからレベルの低い商品が増える。バイヤーも店も忙しいだけで何もいいことはない。

もう一つは、チラシを入れないことである。
定番とは別にチラシ商品を投入すれば、売場はスポット的に投入した商品の残でゴミの山になる。
商品の出し入れ、残の処理に明け暮れれば作業量は増え、売場も荒れて生産性が落ちる。
誰が考えてもわかることだが、フェイシングをキチンとしていても、住所を持たない商品が次から次へと投入されれば確実にフェイスは乱れる。
バイヤーがフェイシングを組み、自ら乱していく最も愚かな行為である。
多くの企業で見られる現象であるが、誰も直そうとはしない。
定番づくりをキチンとし、チラシを入れなくても、業績が上がればマスコミがこぞって取り上げてくれる。
金額に直せば、ものすごい額に相当する効果である。こんな上手いプロモーションはない。
ワークマンの凄さというか、賢さである。

小売業を複雑で難しいものにしてしまった責任がどこにあるかわからないが(多分マスコミと机上論や昔の経験をベースにしたのコンサルタント?)、シンプルに原理原則を守り抜いて業績を上げる企業が現れたことはよいことである。
複雑で難しいことが優れているのではなく、シンプルであることが最良であるという理解が進むことを望んでいる。
だれか早く「王様は裸だ」と声を上げるべきである。

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