総合スーパー(GMS)大量閉店の後、特に衣料品をどうするのか?

久しぶりに総合スーパー(GMS)の大型店、特に衣料品をゆっくり見た。大量閉店の話も具体的になっているが、全ての店舗をなくすわけではないから、残る店舗は何らかの形で生き残れるような仕組みを確立する必要がある。
売場を見て残念なのは、主体性のなさや妥協の産物のような商品、売場づくりが至る所に見られることである。
ユニクロが先行するヒートテック、ウルトラライトダウン、暖かパンツ、….。いっそのことユニクロから商品提供を受けた方が早いのでは….と思えるようなピット商品のコピーからは大手企業のプライドは感じられない。
補充が間に合わないのか、発注の手間を省いているのか、3000~4000円代のネクタイも全く同じ色柄の商品が4~5本一緒に陳列されている。価格に関係なく、たくさん商品を積み込み、商品整理もできていないから、1,000円以下の特価かプロパー商品かの違いも、ちょっと見ただけでは分からない。
昔、高額商品は、商品密度を低くしてディスプレーし、価格表示も小さくする。一方、低価格商品は密度高くボリューム陳列して、価格表示も大きくすると習ったものだが、ファッション商品、実用商品、GMSが扱う商品の中でも高価格帯の商品、特価品、…すべて扱いは同じなのだろう。
大量閉店した後の残った店舗に何らかのビジョンがあるのであれば、戦線縮小も意味があるかもしれないが、このままいくと、第1次大量閉店の後に第2次、第3次、..と続くような気がしてならない。
少なくとも、たくさんのアイテムを、大量に作って、価格で強引に販売するという時代ではなくなっていることを考えれば、全く異なるビジネスモデルへ転換することを考えるべきだろう。
しかも、どんなに大型の総合スーパー(GMS)を作っても、昔と違って食品の商圏よりも広い商圏を衣料品、住関連商品など非食品で確保することは難しくなっている。逆に生鮮食品や特徴的なレストランを強化した方が商圏が広がることも考えられるから、昔の感覚で商品のポジションを考えていたのでは、いつまで経っても答えは見つからないだろう。
すでに20年も前から総合スーパー(GMS)の中心は衣料品ではなく、食品に移っている。社員のモチベーションも稼ぎ頭の主役からお荷物部門へと変わっていれば、再生はさらに難しくなる。
経営は、救世主を待つのではなく、明確なビジョンを示すべきだろう。少なくとも何十年もかけて今の状況が出来上がったことを考えれば、再生が一朝一夕にはいかないことは分かっている。そのような前提で取り組むテーマであれば、既存の経営での対応は難しい。全く別の感覚を持ち合わせたクリエイターに任せるなど、思い切った対応が必要だろう。
たとえば、CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社)が、現在の店舗網、システム、ビジネスモデルを活用して、アパレルのシェアビジネスをフランチャイズ展開したら、従来アパレル業界が発想しなかったようなさまざまな手法を展開するだろう。かつてメーカーから新発売されるDVDをまとめて安く提供してもらい、消費者ニーズの高いホットなうちにレンタルの稼働率を確保した方法は、多くのファッションアパレルのシェアビジネスに応用できる有効な手法である。メーカーは一定の生産量を確保でき、一定の収益を確保した後に中古流通、海外に販売するような仕組みを確立すれば、いまの固定的なアパレル流通は崩壊する。視点を変えれば、形を変えて生き返ることも可能になる。
Tポイントカードを活用したビッグデータの強みは、商品開発、生産、在庫コントロールなどに幅広く活用でき、従来のアパレルとは比べものにならない精度を実現するだろう。
シェアビジネスに切り替えることで、ファッションアパレルを着こなすコストは著しく低下し、利用者=マーケットのすそ野を大きく広げる可能性もある。
Advanced Style(http://www.advanced.style/)の日本版が実現するかも知れない。
「高齢者に化粧をしよう」という運動もあるようだが、化粧をし、綺麗にすることはいろいろな意味で若返りにつながるという。着るものを含めて、もっとトータルな運動になれば、高齢化社会にマーケットが活性化する可能性はある。

ポイントは、すでに「必需品ではない、余剰の商品(タンスの中に衣料品は溢れ、中古流通にも多くの商品が溢れている)」を販売しようとしている点にある。
不要なモノを買うには、「買う理由」が必要になるし、動機づけが必要になる。
オシャレを一つのカルチャーとして定着し、高齢者でもオシャレをして出かける場所・機会をつくれば、多くのモノ・コトが変わる。
衣料品という「物」を売りたいのであれば、買う理由から創っていく必要があるが、長年、物売りしかやってこなかった人にはそれができない。
クリエイターであれば、即物的に物を売りつけようとせず、着ていく場所・機会という「ファッションアパレルを着てオシャレする『場』創り」からスタートするだろう。
巨大な物売りの箱物をクリエイティブな「場」に転換できるか否かが総合スーパー(GMS)再生のポイントになるのではないだろうか。

 

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