都市部への人口集中、地方の過疎化が新しい商品販売のシステムを生み出す

2月26日に平成27年国勢調査 人口速報集計結果が発表された。平成27年10月1日現在の人口は1億2711万人(平成22年比▲94.7万人)、大正9年の調査開始以来、初めての人口減少となっている。
都道府県別には東京都が1,351. 4万人(全国の10.6%)、以下、神奈川県(912.7 万人)、大阪府(883. 9万人)、愛知県(748. 4万人)、埼玉県(726 .1万人)、千葉県(622. 4万人)、兵庫県(553 .7万人)、北海道(538 .4万人)、福岡県(510 .3万人)と続き、上位9都道府県で6847.3万人、全国の過半数(53.9%)を占める。(ただし、大阪府、兵庫県、北海道は、人口は多いが減少している。)
特に東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)は3612.6万人、実に全国の約3割(28.4%)が集中し、5年前に比べると1都3県で50. 8万人(東京都が35.4万人、うち23区32.7万人)、最も人口が少ない鳥取県 の人口(57.4万人)に匹敵する規模の人口が増加している。
東京一極集中がかなりのスピードで進んでいることになる。特に港区3.8万人増、江東区3.7万人増、板橋区2.6万人増、大田区2.4万人増、世田谷区2.3万人増、台東区2.3万人増など23区で極端である。50階超の超超高層マンションが1棟できると800~1000戸が増える計算になるから限定されたエリア内に急激に人口が増えることになる。
全国を市町村単位で見ると、1,719ある市町村のうち1416、実に8割超(82.4%)で人口が減少し、そのうち5%以上減少が約半分(48.2%)の828、同10%以上減少も227(13.2%)ある(いずれも平成22年比)。増加はわずか303(17.6%)であるから、いかに東京都の一部に、しかも急激に人口が集中しているかが分かる。

このようなデータを見ると、立地ごとに将来的にも存続可能と考えられる小売業態、不足すると考えられる新規業態についてある程度の予測ができる。
例えば、超超高層マンションの建設に伴い人口が局地的に急激に増加した地域では日常生活に必要な食料品や日用品、実用衣料などを買う店舗が確実に不足する。超超高層ビルの建設に伴って急激に昼間人口が増加した地域では、ビル内でカバーすることができれば別であるが、そうでなければ昼食ニーズに対応することが難しくなる。
店をつくるにも土地がなく、仮に土地があったとしても、高くて既存業態の経費構造で対応することは難しいから出店することは難しくなる。

一方、地方の過疎化地域では、移動手段を持たない高齢者が増えることで商圏は狭まり、来店頻度も下がる。人口減少で商圏密度は下がるから地域一番転であったとしても固定費負担ができずに店舗を維持することが難しくなる。

そう考えると、過疎地の状況は、アメリカで通信販売が誕生し、発展した時代と環境的にはよく似ている。また、超超過密地域もマーケットサイズが大きいのにそれに対応可能な店舗が身近になければ、商品の調達手段は通信販売や移動販売しかないから過疎、過密どちらの地域も店舗によらない商品調達手段に頼るしかない。場合によっては、シェアリングエコノミーの形とコストこのような業態が一緒になって一つの業態(形態?)が成り立つことも考えられる。

従来の実店舗が成り立つのは、足元人口の密度が高い都市部周辺のベッドタウン、足元人口にビジネス客、観光客などが加わるオフィス街周辺、ターミナル立地、観光地など、人が集まる限られた地域ということになる。

日本という国は、このようにいくつかのパターンに分かれ、それぞれの特徴に合わせた商品供給形態に収束していくと考えられる。
ナショナルチェーンといった発想は、遠い過去の話ということになるのかもしれない。
昔は、都市ごとに陣取り合戦をして店づくり競争をしていたが、今後を考えれば物理的な都市の陣取り合戦ではなく、セグメントされたマーケットの陣取り合戦ということになるだろう。
いつまでも、昔のように実店舗での陣取り合戦をしていたのでは、いずれ既存店の固定費で立ちいかなることになるだろう。(CGP;チェーンストア・グローイング・パラドックス 参照)
時代の変化は量的変化に質的変化が加わり、物(所有)の時代から機能とサービス(非所有)の時代に変わっている。物事の本質を理解しないまま、現在の延長線上で全てが動いていくと考えるのには無理がある。
20年以上も総合スーパー(GMS)の不振が変わらないことを見ても分かるが、時代の変化を読み取り、次なるシナリオを描くことができなければ、ただいたずらに時間が過ぎていくだけである。

 

 

 

 

 

 

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