子供の数がまた減った‼どうする?

毎年、子供の日には、その年の子供(0~14歳)の数が総務省により発表される。子供の数は1605万人、1982年から35年連続して子供の数が減少しているという。
3年区切りで見ると、0~2歳 307万人、3~5歳 316万人、6~8歳 318万人、9~11歳 321万人、12~14歳 342万人であり、2015年の出生数が5年ぶりに前年比4000人増えて100万8000人ということだから、このまま推移すると、3年後にはさらに子供の数は40万人くらい減ることになる。

結婚しない人が増え、晩婚から子供の数も減るし、女性活用といってみても無認可保育所に入れる手間と費用を考えれば、子育てなど現実的な選択とは思えないほど負担は大きい。人口減少問題の解決には、移民か出生数の増加しか考えられないが、保育所からはじまる子育て、教育費の増大を考えると、すでに異常な状況にあるとしか思えない。教育費の負担を奨学金という形で先送りすることもできるが、奨学金の支払いができずに自己破産したなどという話もマスコミに登場しているから、難しさを二世代に分散しただけで抜本的な解決にはならない。
基本的に現状の枠組みでは対応が難しいことは分かっているから、仕組みを根本的に変えるしかないが、枠組みそのものを変えずに部分だけいじって済ませようとするから無理がある。
あらゆる分野に言えることであるが、過去の枠組み、仕組みを捨てないで現状を変えることはできない。
身につけなければいけないことがたくさんあり過ぎるのに、未だに一つずつ、しかも優先順位をつけずに昔のままの価値観で片っ端から知識を詰め込もうとする。
我々でさえ、より専門化し、増え続ける情報を追いきれない状況にある。しかも進化に伴いジャンルは増え続け、しかも新たに解明されることがあれば、それまでの情報は修正されるから、常に正しい情報に更新し続ける必要がある。
そのような環境にいる子供たちに、優先順位をつけず、選択もさせないまま情報を詰め込むのが教育というのでは、どうでもいいことだけでオーバーフローしてしまう。どうでもいいことをテストして100点をとったとしても、そのことに何の意味が見出せるのか、はなはだ疑問である。怖いのは、その100点を皆が勘違いしたまま、長い時間過ごしてしまうことである。
10年後、20年後にその100点は全く意味をなさず、本当に必要で肝心なことがたくさん積み残されていたとしても、だれも責任をとることはできない。
大切なことは、子供たちが大人になり、社会に出た時に、しかも何十年かに渡り役に立つ教育がなされることである。
10年後になくなる仕事が話題になっている状況を考えれば、不要なモノは捨て、必要なものに絞って提供するのが、本来の教育の責務だろう。
一律に評価するための知識を与えるのではなく、10年、20年経っても陳腐化せずに発展させることができる考え方と方法、知恵を実技として教えなければ子供たちがかわいそうである。
いまのままでは、これまで評価の高かった子供が社会に出て全く使いものにならないという状況が必ず起こってくるし、特定分野で非常に高い能力を持っている子が途中で潰されてしまい、本当の意味で持てる能力を活かすことができないということも起こるだろう。どちらも本来の能力を適正に生かすことができなかったということでは悲惨であるし、いろいろな意味で損失である。
いまがどうかではなく、将来から逆算して、いまをどうするのか、というように教育の仕方・内容を決めていかないと、「ゆとり教育」同様にモルモットにされる子供たちが増えるだけである。
人口が減少するから、本来ならクオリティを高める必要があるが、いまのままでは、人口が減少するだけでなく、クオリティも低下する、といった状況になりかねない。
一律に満遍なく知識を与え、みな横並びに同じ基準で評価して….などという時代はとうの昔に終わっている。
それぞれの特性に応じて、より高いレベルで能力が発揮できる得意分野で、個が生かせるようにすることでしか、人口減少に対応することは難しい。
子供の減少は、すでに何十年も続いているし、将来に対する推計結果も出ているのであるから、いまさら毎年の行事のように「子供が減った」と騒ぐのではなく、「だからどうするのか」という具体的な議論をするべきだし、議論に基づいた修正を具体化する必要もあるだろう。特に小中9年間という膨大な時間とコストの使い方は抜本的に見直す必要がある。あとになってから修正するのでは間に合わない。

 

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