大型ショッピングセンターが林立する港北ニュータウンは高齢化にどう対応するのか?

2040年時点で65歳以上の人口増加率(2010年=100)が全国で最も高い値を示すのは東京都小笠原村である。その次に多いと位置付けられるのが、現在、30歳代、40歳代を中心に人口増加が著しく、ららぽーと横浜、IKEA港北、港北TOKYUショッピングセンター、モザイクモール港北 都筑阪急、Northport Mall、港北みなも、LuRaRa KOHOKU、…等々、数多くの大型ショッピングセンターが集中して注目される港北ニュータウンがある横浜市都筑区(2010年人口201千人)である(図表 横浜市都筑区年齢構成推移 )。 同様に都筑区に隣接する横浜市青葉区(同304千人)、緑区(同178千人)、港北区(329千人)、川崎市高津区(同217千人)、多摩区(同214千人)、東京都港区(同205千人)、中央区(同123千人)(図表 横浜市都筑区隣接5区年齢構成推移)など、東京圏にあって人口の多い都市が65歳以上の人口増加率30位以内に数多く並んでいる。 港北ニュータウンがある都筑区は2040年時点でも人口は増加しており、隣接する周辺5区も人口が横這いで推移するが、増加する人口分はみな高齢者であり、年齢構成は大きく変わる。
*高齢者数の増加率は約1800ある市区町村の中でも都筑区2位(2010年=100として274.3)、青葉区9位(240,7)、高津区10位(229.8)、宮前区14位(215.2)、緑区24位(206.6)、港北区28位(203.6)、中原区32位(202.9)である。

つまり、周辺まで含めた巨大な商圏人口全てが急激に高齢化し、マーケットの性格が短期間のうちに全く異なるものになると予測されている。  高齢化に伴いマーケットの購買力が著しく低下した場合、街としての活力低下はもちろんであるが、何よりも周辺地域に与える経済的影響は計り知れない。 商業集積は、地域外からの集客を可能にするが、周辺都市も高齢化した場合、広域にわたり社会構造が大きく変わる。 一定の年齢層を確保するためには観光客の誘致も考えられるが、それには現在の物販、しかもマーケットが縮小するアパレルを中心としたショッピングセンターばかりの街からアミューズメントやテーマパークなどサービスウエイトを高めた街へと大きく修正する必要がある。 コモディティ中心の大型店舗だけでなく、現在の30~40歳台を中心に想定したテナント構成のまま、ショッビングセンターが生き残ることは難しくなるだろう。

One comment

  1. snoyan より:

    東京郊外の住宅地は、今後の少子高齢化で大きく変わるでしょうね。
    実家が横浜にありますが、明らかに高齢者のみの住宅、空き家が増え、小学校も以前は5クラスあったところが1クラスになってます。
    車が無いと生活できないが、最近増加している高齢者の自動車事故の記事を見て免許を返納すべきか、迷っている方々も多くいます。
    女性も総合職、専門職でバリバリ働き男性と変わらない収入を得ています。夫婦で子育てし、家事も男女でシェア、趣味やスキルアップの時間も確保し生活するには職住近接が効率的です。
    東京都心三区の人口はあきらかにそのようなニーズで増加しており、郊外で下落する不動産価値も都心は益々高まることを予想しています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください