政令指定都市に見る人口減少と高齢化

 2010年=100とした時に、2040年全国の総人口は83.8、それよりも指数が低い政令指定都市が静岡市78.0、北九州市80.3、新潟市82.3、浜松市83.7と4市ある。
 政令指定都市の中でも都市型の典型である川崎市の2025年の人口ピラミッドと地方型の静岡市、新潟市などの2010年の人口ピラミッドを見比べると似たような形になっている。(川崎市の15年後の姿?)
 年少人口(0-14歳)、生産年齢人口(15-64歳)、65歳以上人口、75歳以上人口(再掲)の年齢4区分全てにおいて、同じ構成比になる時期が全国に20ある政令指定都市だけで比べても10年から15年、場合によっては20年も違う。
 例えば、年少人口を見ると、2010年時点で大阪市、京都市、札幌市が11%台であるが、他の多くの市では11%台になるのが10~15年遅い2020~2025年である。早くに11%台になった市は、その後10%を割り込むが、2010年時点に比較的高い値を示している市は2040年になっても10%を割り込むことがない。
 同様に生産年齢人口を見ると、北九州市は2015年に58%を割り込むが、新潟市、浜松市、静岡市などはそれよりも10年遅く2025年、熊本市、広島市、横浜市、相模原市などは、さらに10年遅い2035年まで58%を割り込むことはない。
 65歳以上でも、早くに30%台に乗せた北九州市、新潟市、静岡市と京都市、浜松市、千葉市、神戸市、札幌市では5年の差があるし、福岡市、さいたま市、堺市、名古屋市、広島市、仙台市、大阪市、大阪市、相模原市などとは、15年もの差がある。75歳以上の人口構成比が20%台に乗せるのも早い市と遅い市では10~15年の差がある。
 日本全国にある市区町村を見渡せば、自分が住んでいる都市の将来の姿、過去の姿があるから、いろいろなヒントを得ることもできる。高齢化し、人口が減る過程でどのような現象が起き、どのような構造的問題が現れるのか、具体的に知ることができるだろう。
 大阪都構想を否決した大阪市も86.0だから現状維持が容易とは思えない。何よりも2010年に対し、2040年全国で最も人口減少幅が大きいのが大阪府の▲140万人であることを考えると、都構想に反対し、否定した人達がそれに代わる代替案を策定し、実行する責任を負わないと、ただ住民投票をし、結論を先送りにしただけで終わってしまう。
 住民はもちろんだが、企業も明確な方向性を出さないと生き残ることは難しくなる。特にリアル店舗を構えた小売業は損益分岐点が高く、経費が固定費的に発生するだけでなく、物理的に商圏が限定される。知恵と行動力が必要である。
 
 

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